不揃いクッキーの話

無印良品には「不揃いクッキー」が売っている。

キャッチコピーは「形は変だけどクッキーです。」なるほど、クッキーであることは保証している。

美味しいかどうかはさておいて。この子達が「規格外の産業廃棄物」ではなく、「クッキー」であることを保証している商品だ。

話し飛んで、あなた方は曲がったキュウリを見た事があるだろうか。

私は農村育ちで、キュウリなんぞ曲がってるのが当たり前だった。

キュウリは真っ直ぐでなければならないなんて常識はどこにもなかった。

それでも、選び抜かれた真っ直ぐなキュウリだけが流通する市場を見て育っていたら、曲がったキュウリは不良品と認識していたんじゃないかと思う。

それを想像すると恐ろしいというか、他人事に思えない。

私は散らかし屋と不思議ちゃんの代名詞なのだが、幼稚園の頃から既にその兆候はあったのだ。

園児の集団からはみ出している。要するに曲がったキュウリだ。

味は申し分ないのは経験上存じている。

ただ曲がってるのが気になるだけで。

それを見るにつけ思うのは「常識」の脆さだった。もちろん社会人として生きる以上、ある程度の常識はないと恥ずかしいし、人に迷惑をかける。だけど、べつに迷惑をかけてないのに重苦しい常識の方が遥かに多いような気がした。曲がったキュウリは人に迷惑をかけているかといえばそうじゃない。むしろ、キュウリは曲がる事もあるという事実を知らない方が恥ずかしいんじゃないかと思う。

同じく、クッキーを焼く場合、どうしても抜き型からあぶれてしまう生地もあって、上手いことオーブンに入っても、崩れてしまうものもあるわけで。

彼らにしてみれば自分のせいだけじゃなくそうなったわけで。でも居直られちゃ困るわけで。

難しいですね。でも難しいですねで片付けてはならないような。

でもこれだけは間違いない。

不揃いクッキーは愛しい。

これは間違いないかもしれない。

ありのままを体現してるからね。

2件のコメント

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